16.全身麻酔や手術の精神面への影響は?

 入院、手術、麻酔その他の頻回な処置が、お子様の心理に何の影響も及ぼさないということはないはずです。しかし、そうだとしても手術や検査、そしてそのために必要な麻酔を中止するわけにもゆきません。そこで、家族の皆様方と医師そして看護師は、それぞれの立場から、それぞれのタイミングを見計らって協力しながら、心理面に与える影響をより良い方向にもっていくように配慮しなければなりません。

 お母様方、どうぞお子様の年齢に合わせて、理解できる程度に手術や入院について話してあげて下さい。特に小さなお子様の場合、なにも事細かく一部始終をお話にならなくても良いのですから、事実に沿って説明し、だまして病院に連れて来るようなことはなさらないで下さい。小さなお子様の場合には数日前にお話するだけでも良いのでしょうが、年齢の大きなお子様の場合には理解しても、現実に対応するまでには多少の日数がかかるかも知れません。

 手術や麻酔に関する心配や不安は、年齢に応じて本当に違うものです。小さなお子様は、母親から離れること自体が最大の関心事でしょう、小学生では注射の痛みを最も恐れているかも知れません。中学生にもなると、麻酔や手術そのものによって生じる事態が大きくのしかかってくるかもしれませんし、手術後の将来に不安を感じている場合もあるでしょう。何が最も大きく影響しているかは、結局はご家族の方々が最も理解できるのですから。

 そして、こうした努力の上に病院の医師や看護師が、それぞれの立場で説明し、お子様がある程度納得した状態に加えて、お薬による精神の安定などもはかり、むやみな不安感や興奮をおさえながら全身麻酔をすることによって、手術中の肉体的苦痛を極力少なくするという方向にもっていけるのです。
 もう一つ大切なことは、手術を受けて退院された後の御家族の態度です。ただ、ふびんだ、かわいそうだ、と思ってお子様に気を使うだけでなく、たとえつらい思いをさせたとしても、手術を受けさせたことは、このお子様にとって最良の方法だったのだという自信をもって接して下さい。そして、ある程度会話のできる年齢のお子様の場合には、手術や麻酔、それに入院生活などについて一緒に話してみて下さい。心の中にあるものを口にすることによって、徐々にそれらの刺激的な影響は弱まってくるものです。

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