10.全身麻酔による副作用について

ご両親にとっと、お子様に手術を受けさせるということだけでも、ショックなのに、まして全身麻酔を受けるとなるとさらに心配なさるのは当然のことと思います。

 ご心配のあまり、ご家族の方からいろいろと質問を受けます。たしかに麻酔による死亡が全く無いという訳ではありませんのでご心配も無理のないことです。しかし、麻酔を専門とする医師のいる私どものような病院でのこうした事故は、交通事故による死亡事故の頻度(約1万人に1人)よりもはるかに少ないのです。
 実際、日本でいちばん始めの小児医療専門施設の(旧)国立小児病院の麻酔科では、開設以来35年間に8万例を越すお子様が全身麻酔を受けましたが、幸い全身麻酔による事故死は全くありませんでした。まして、麻酔によって頭が変になったなどということは聞いたことがありません。

 麻酔専門の医師がいて麻酔による大きな事故が今までに無かったからといって、全身麻酔に危険性が絶対にないとは断言できません。感染が潜んでいたりお子様の体質やその時の状態によっては麻酔が与える影響が大きく、危険な状態に陥る可能性や入院が長びくことが無いとも言えません。それ故、麻酔をかける前に十分な診察や検査をして、お子様の全身状態を知る必要があるのです。このためには、お母様方が日頃より知り尽くしているお子様の特徴をなるべくたくさん、どんな些細なことでも教えてください。お母様、お父様、そして時には親戚の方々の麻酔や手術の事を話していただくことも大切なのです。
 こうした細かい配慮と、あらゆる事態に対処できる麻酔科医、外科医及び、看護婦とが協力して、危険な状態を避けたり切り抜けることが可能となります。

 

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