8.全身麻酔からさめるとき

 吸う息と一緒に体の中に吸収された麻酔ガスや静脈の中に入った麻酔薬により全身が麻酔され、その全身状態をより安全に維持する努力を麻酔科医が行なうことは、すでに説明しました。一方手術が終わると麻酔科医はそのような状態から普通の状態にかえす、つまり手術の時に用いられた麻酔薬や、手術の影響から早く回復させようと努力します。でも、手術が終わってすぐに痛がっては困ります。そこで、手術の場所によっては特別の薬を用いたり、全身麻酔中に硬膜外麻酔とか区域麻酔と呼ばれる特別の痛み止めの処置を予め行なっておき、手術が終わって麻酔からさめても痛がらないようにする配慮も麻酔科医の仕事なのです。手術や検査が終わりに近づくにつれて今度は身体から麻酔薬を徐々に出し麻酔をさます方向にもっていきます。麻酔が浅くなってきますと、患者さんは刺激により泣いたり、手足を動かしたりというよに目がさめはじめます。そうなると次は、手術室の中の回復室と呼ばれる所に移り、十分に目がさめるまで静かに看護が行なわれます。そして完全に患者さんの意識が回復しますと、病棟や外来に帰り、今度はそこの看護師が看護を行ないます。もちろん必要に応じて、いつでも麻酔科医がかけつける体制になっております。

 こうして安全を確認しますので、ふつう手術が終わってからお子様が手術室を出るまでには少なくとも一時間程度はかかります。

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